保育士の離職率はどれくらい?

2022.08.19更新

保育士の離職率はどれくらい?

 

 

厚生労働省による保育士等における

現状の調査データによれば、

公営・私営、勤続年数によってばらつきがあるものの、

常勤保育士全体の離職率は10.3%となっています。

 

常勤は朝8時から午後5時までが一般的なシフトで、

この時間帯はもっとも多くの保育士が

働く時間になるため10.3%という

数字が高いか低いか一概に判断することはできません。

もう少し細かくみると、

公営の保育施設の離職率は7.1%

私営の保育士施設の離職率は12%と

比較的大きな差があります。

 

その理由は、雇用条件にあると考えられます。

公営の場合は、雇用条件の規定が守られますし

待遇も安定しているため離職率は低くなりますが

私営は運営会社によって待遇が悪くなることも

ありますし、雇用条件が守られないことも多いので

離職率が高くなるようです。

 

また、勤続年数によってもばらつきがあり

保育士経験が2年未満で離職する人は14.9%

もっとも高く、長く務めている人ほど離職率は下がり

8年~10年未満であれば、約半数の7.3%となっています。

とはいえ、保育士全体の平均10.3%

離職しているのですから、

10万人中1万人は保育士を辞めているというのは

決して離職率が低いとは言えないかもしれません。

 

 

他業種と比較してなぜ離職率は高いのか

 

仕事が大変なのは保育士に限ったことではなく、

例えば同じように不足が問題視

されている看護師も決して楽な仕事ではありません。

 

また、クレームを直接受けることが多い

接客業やノルマが課せられている営業職も

大変ですから、他の業種の離職率と比較してみないと、

保育士の離職率の高さというのはわからないでしょう。

 

平成28年のデータでは、

常用労働者に対する離職率の割合は約15%となっています。

この数字と比較すると、全体の10.3%しか

離職していない保育業界は

離職率が高いとは言えないのかもしれません。

 

しかし、看護師と比較してみると

看護師の場合は新卒の離職率が7.5%、

常勤が11%となっています。

保育士は新卒から働き始めて2年未満の離職率が

14.9%ですから新卒で比較すると約2倍にもなるのです。

 

その代わり常勤は7.3%となり、

看護師よりも少なくはなるものの

全体の離職率でいえば圧倒的に

保育士の方が高いことがわかります。

 

一般的には、保育士よりも看護師の方が

つらく大変な仕事というイメージがあるので

離職率も高いと思われがちですが、

看護師の場合は保育士よりも収入が多く

また残業代もきちんと支払われます。

 

そのため仕事がつらくても辞めずに頑張る

看護師が多いのかもしれませんが、

保育士の場合は仕事が大変な上に待遇も

良くないので続かない人が多く、

結果として他業種より保育士の離職率が高いのだと思われます。

 

 

 

離職した保育士の半数は転職を希望している

 

保育士不足は離職率の高さに加え、

転職により保育士そのものを

辞めてしまう人が多いことも原因となっています。

 

他の国家資格保有者であれば今の職場に対して

不満があったり、労働環境に

我慢できなくなったりして

やめたとしても同じ業種に転職して

仕事を続けるのが一般的です。

 

しかし保育士は保育士として転職するのではなく

そのまま異業種に転職する方が多いのです。

その原因となっているのが、

サービス残業や保育以外の仕事量が多い

過酷な労働環境や待遇の低さです。

 

これは、昔から保育業界でいわれていることなので

他の保育施設に転職をしても

状況は変わらないと思っている保育士は多く、

そのため異業種に転職する人も多いと考えられます。

しかし、異業種に転職しても保育士に戻りたいと

思っている人は少なくありませんし、

離職しても半数は保育士への転職を希望している

というデータもあります。

 

ただし、あくまでも離職理由が

改善できる職場が大前提となります。

自分で探しても労働環境が整っていて

待遇が良い求人案件は見つかりにくいため

異業種への転職を余儀なくされてしまうのが実情のようです。

 

 

 

離職した保育士が求めているものランキング

 

厚生労働省が保育士の資格を

保有している人に行った調査の中の

「保育士への就業を希望しない理由が

解消された場合、保育士を希望する」

という項目では約6割の保育士が

「はい」と答えています。

 

つまり離職した人の半数以上は、

離職理由が改善されればもう一度

保育士になりたいと思っているということです。

では、離職した保育士はどういった

改善を求めているのでしょうか。

 

 

1位:給与・賞与の改善

 

保育士が職場にもっとも求める改善点は、

給与や賞与のUPです。

保育施設は普通の会社のように

物やサービスの売り上げで利益を得ている

わけではないため、安定している代わりに

売り上げ増加でボーナスが増えることはありません。

 

また、役職も多くないので

キャリアアップで昇給を狙うのも難しいですし、

残業をしてもサービス残業になることも多いです。

 

さらに保育施設の多くは

、国や自治体から委託費と利用者から

支払われる保育料で運営されているため、

保育士の給料を大幅にUPする余裕がないのが現実です。

 

それでも給与や年収と、

仕事の負担が釣り合っていれば続けられるのかもしれません。

しかし、保育士は仕事量が多く

肉体的にも精神的にも負担が大きいので、

給料と釣り合わないから、と感じ

保育士を続けるモチベーションがなくなってしまう人が

後を絶ちません。

 

ただし給与や賞与は保育士施設ごとに違いがあり、

最近は保育士を確保するために

ベースアップしている施設も増えています。

 

高待遇の求人案件は非公開求人に

掲載されてることが多い為

普通に転職活動していても、見つかりませんが

転職サイトにはその手の好条件求人が多数あり、

利用している人は給与や賞与の問題が改善された

職場で保育士としていきいきと仕事をしています。

 

 

 

2位:職員の増員

 

保育施設には保育士の配置基準があり、

最低でも〇人配置しなくてはいけない

という決まりがあります。

 

この配置基準は、保育に関する専門的な

知識を持った人がすべての子どもの安全を

確保できることも目的として国によって定められています。

 

国の配置基準によると、

0歳児クラスは子ども3

1歳児から2歳児クラスは子ども6

3歳児クラスは子ども20

4歳以上のクラスは子ども30人に

対して保育士が1人となっています。

 

また、より確実な安全性を確保するため

自治体もしくは保育施設ごとに国の配置基準を

下回らない範囲で配置基準を定めているところもあります。

ただし、配置基準はあくまでも最低人数ですから

十分に余裕をもって保育できる人数ではありません。

 

そのため、保育施設では配置基準以上の

保育士を配置していますが、保育士不足のため

人手が不足していたり十分な保育士の人数を

確保できていなかったりする施設もあります。

保育士が不足している施設を離職した保育士は、

職員数の増員を求めていますが、

残念ながらこの状況が改善される施設は多くありません。

 

しかし、近年は保育士の労働環境を改善する

動きが活発になっており

保育士の職員数を増やすために待遇を見直したり、

仕事を軽減したりする保育施設が増えてきています。

 

 

3位:事務・雑務の軽減

 

日本保育協会の調査結果では、

保育士の1日の平均勤務時間は約9時間40分となっていて

その内訳は7時間が保育となるものの、

残りの2時間40分は事務作業や雑務になります。

 

事務作業は、連絡ノートや保育記録の記入、

指導計画の企画や会議、懇談会の報告書作成など。

雑務は保育教材の準備や保育室の清掃、

季節ごとの飾りつけの作成、

イベントや行事の準備などがあげられます。

 

保育の仕事に加え、これだけの仕事があるのですから

当然残業になることも少なくありません。

 

しかし、これらの作業はほとんどの

保育施設でサービス残業になります。

また、時間内に終わらず持ち帰って仕事をする

という保育士も多く、

仕事量は大手企業のサラリーマンと

変わらないと言われています。

 

家に持ち帰ってまで仕事するのが

常態化するほど保育士の事務や雑務のウエイトは

大きいため、この点が改善されない限りは

保育業界に戻りたくないという人が多いのも

うなずけます。

 

ただし、事務作業は必要だからこそ

業務内容に入っているので

保育施設によっては負担軽減策として、

非正規職員や保育補助を増員し

保育の合間に仕事ができるように工夫している

ところもあります。

 

 

保育士が離職せずに済む転職を成功させるコツ

 

≪離職理由を整理する≫

ほとんどの場合「辞めたい」と思う瞬間が

積み重なることで離職を検討するので離職理由が

漠然としてしまい、いざ転職しても同じような

理由で離職するという悪循環になってしまったり、

保育士を辞めたりすることになります。

転職を成功させるには

、離職理由をしっかり整理して

何が嫌でやめたのかをはっきりさせなくてはなりません。

 

離職理由がわかっていれば、

転職で求人案件を探すときに離職する原因と

なった問題を解決できる職場かどうかを判断できます。

 

もちろん理由が1つでないという方も

あると思いますが、すべての理由を

解決できるような職場を探すのは現実的ではないので、

転職理由を整理したら

何が一番嫌だったのかを洗い流して優先順位をつけてください。

 

 

≪離職理由を解消する職場を探す≫

転職するには、転職活動を行いますが

ここで大事なのが離職理由を解消する職場を探すことです。

 

そんなの当たり前と思うかもしれませんが、

前述したように保育士の離職理由は

給与や待遇への不満、職員数の不足、

事務・雑務の多さが上位を占めています。

 

つまり、離職する保育士のほとんどは

理由が共通しているため

離職理由を解消できる求人案件は人気が高く、

募集が出てもすぐに応募が締め切られてしまうので

見つけ出すのはとても難しいです。

 

最近は自分が希望する条件で探しても、

転職活動が長期化してくると

だんだん面倒になってきて、

最終的には離職理由が解消できないような条件で

あっても応募してしまうという方は少なくないのです。

 

 

≪希望条件を満たす求人情報は転職サイトを活用する≫

給与や賞与のUPや労働環境が整っている求人案件を、

自分の力だけで

見つけるのは相当な時間がかかります。

というのも、好条件高待遇の求人案件の

多くは転職サイトの非公開求人にしか

掲載されないのです。

 

保育施設が好条件高待遇で募集するのは、

優秀な人材を効率よく雇うためなので

誰でも応募できるような一般の求人媒体ではなく、

キャリアアドバイザーが応募者の経験やスキルを

把握できる転職サイトで募集するのが一般的です。

 

妥協しない転職先を探すには転職サイトを

活用するのが効率が良いです。

 

転職サイトであれば、キャリアアドバイザーが

希望条件に沿った求人を紹介してくれますし、

自分で気に入った求人があれば、

面接の段取りから条件交渉まで

サポートしてくれるので転職に失敗することがありません。

 

転職サイトを初めて利用する方からすると

本当に良い職場が

見つかるのか心配かもしれませんが、

完全無料で利用できる上に

キャリアアドバイザーに問い合わせれば

自分に合った職場を紹介してくれるので、

登録しても損はないでしょう。

 

 

 

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