日本とアメリカの働き方の違い

2022.06.23更新

日本人は「働きすぎ」といわれます。

確かに日本には、定時で帰ると白い目で見られる、

飲み会も仕事の一環といった

風潮が残っている会社もありますね。

現在、日本では「働き方改革」が進められていて、

私たち日本人の労働環境への意識も変わりつつありますが

本記事では日本とアメリカの労働環境を

比較しながら両国の文化の違いを解説していきます!

 

「アメリカではどんな働き方なの?」

 

①「即日解雇」が可能

 

日本→よっぽどのことがないとクビにできない

アメリカ→差別的な理由じゃない限り明日にでもクビにできる

 

日本とアメリカの労働環境の違いが最もわかるのは

「解雇」に対しての法律の違いです。

日本は「会社は社員をクビにできない」と実質的には

労働基準法で定められています。

 

つまり社員は法律で守られています。

クビにできる理由として、「重度の病気やケガ」「犯罪を犯した」などの理由が

ありますが、社員のクビを決定する前に会社はあくまで「解雇を避ける努力」を

しなければなりません。

 

また、クビにする時も、前もって「解雇予告」というのを

渡さなければならない事がほとんどなので、

「即日解雇」は非常に厳しいです。

 

 

一方で、アメリカはどうでしょうか。

アメリカや海外の多くの国では、社員をクビにできるのが基本です。

極端な話「君の髪型嫌いだから明日から来なくていいよ」

こんな理由でも正当な手続きを踏めば解雇にできます。

 

また、日本のように事前に通知する間も必要もなく「即日解雇」も可能です。

これはやめるまで1カ月ほど期間を与えると仕事をしなかったり、

情報流出の恐れがあるからですね。

「来月クビになるってわかっているのになんで働くの?」

アメリカでは、このような考えです。

 

 

どっちがいいかは一長一短です。

 

社員が法律で守られているからこそ、

日本は先進国の中で最も低い失業率を誇っています。

しかし経営者からしてみれば会社の方針にそぐわない人や

能力が極端に低い人もクビにできないので、

生産性が落ちるというデメリットがあります。

 

3年で契約が満了する「契約社員」や、

期間が定められた中で働く「派遣」という

システムの中で働く人が増えているのはこのような背景からです。

 

アメリカには「契約社員」や「派遣」という働き方はありません。

 

 

➁転職のハードルが低い

 

日本は、、

A「今の会社で5年働いたけどやめて転職する」

B「もう一回考え直してみたら?」

 

アメリカは、、

A「今の会社で5年働いたけどやめて転職する」

B「結構続いたね」

 

クビに対してのハードルは低い分、

アメリカでは転職することも大したことではありません。

日本は11.8年に対して、アメリカは平均で4.6年に一度

転職をしているというデータがあります。

実際にアメリカでは、一生のうち数十回転職することも珍しくありません。

 

 

③実力主義&学歴社会

 

日本では大学卒業と同時に「新卒」として会社の入社して、

一年目二年目は自分の専門とは関係なく

「与えられた仕事はきっちりする」というのを重要視されます。

 

一方で、アメリカでは入社して大学での専門分野とは関係ない仕事や

部門に配属されることはまずありません。

そもそもアメリカでは就職の際にレジュメ(履歴書)を書きますが、

性別・年齢・人種は一切書かずに自分のやりたいこと、専門分野

大学や、前の会社での実績のみを書きます。

 

つまり、性別や年齢ではなく実力と学歴のみが判断材料となっています。

 

日本では、「仕事ができない」「会社に向いていない」人も

会社がなんとかして教育し、育てます。

これは上で書いている「クビにできない」とうシステムがあるからこそ

「教育すること」が会社の利益にとって唯一の手段でもあるからです。

 

しかし、アメリカでは丁寧に教えてくれることはありません。

出来なければ切られます。

 

つまり、これがアメリカの格差社会を生んでいる原因ともなっています。

 

 

④「残業」に関して

 

日本での残業の多さはよく知られていますが、

「アメリカ人は残業をしない」といったらそれも間違っています。

しかし、日本では基本的に「上司がまだ働いているのに先に帰るのはまずい」

という圧力がありますが、アメリカにはそれはありません。

仕事をしたい人はするし、帰りたい人は帰ります。

週末でも会社のメールをチェックする人もいればしない人もいます。

 

つまり仕事に意欲のある人、早く昇進したい人は定時以外でも働きますが

「自由な時間を大切にしたい」「家族と一緒に過ごしたい」という人は

定時で終わらせます。

生産性、効率さえよければすべてOKという考え方です。

 

 

⑤サービス業

 

アメリカや外国に行ったことがある人はわかるかと思いますが、

日本のサービスは素晴らしいです。

レストランに入ればおしぼりがでてくるし、何もゆわずに水を出してくれます。

コンビニに行ってラーメンや弁当を買えば、何もゆわなくても箸をつけてくれます。

 

これはアメリカではありえません。

「水が欲しいなら先に店員に伝えるのが筋」という考えが基本です。

何も言わなかったら出てこないのは当たり前で、

「店員がお客さんの気持ちも読み取る」

というのは日本のサービス業のみだと言えます。

 

つまり、アメリカでの労働はレストランでのチップ制度から

わかるように、やった分だけの報酬があります。

一方で日本では「ここまでやるのが当たり前だ」という基準の中で

労働が決まっています。

 

極端な例でいうと、台風がきた日に出社する人の考え方の違いとして

 

日本人「みんな出社するだろうから行かないと」

アメリカ人「こんな日は誰もこないだろうから俺が行かないと」

 

このような違いです。

 

 

ここまで日本とアメリカの労働環境の違いを見てきましたが、

「どちらが良い」というわけではなく一長一短です。

しかし、以前は一つの分野だけでもなんとかなったことも

これからは色々なスキルが必要になってきます。

そんなときに、アメリカのような融通の利く働き方は

これからもっと必要になってくるかとも思います。